先日柳瀬宏秀さんの講演会に行ってきた。柳瀬さんはマヤの叡智を伝える日本の第一人者である。(そうだ。・・・実は僕はそのことを知らなかった・・・。)
 その日は「マヤの叡智から祈りへ」というタイトルでの講演会だったのであるが、マヤ暦が用いている太陰暦を現代人の時間の概念との違い(狂い)を解き明かしながら、そして日本人にも実はとてもなじみ深いのあるものであることをとても分かりやすく説明してくださった。

 現在私たちが使っている太陽暦(グレゴリオ暦)は地球が太陽の周りを公転する周期(約365.242199日)を季節に合わせるため12か月、1ケ月30日あるいは31日としおり、その30や31の数字にはにはほとんど意味がないのに対して、マヤの太陰暦は月の公転周期(27.32日)、満月の周期(29.53日)等が考慮され28日の13カ月となっており、1ケ月の28日には意味のある数字となっている。
 そして現在は太陽暦を基本に、時間の概念も直線的(時計的)に考えられているのに対して、太陰暦は月と地球そして太陽との関係で宇宙の流れとともにある暦であり概念だ。

 この周期に合わせて生活すると、人間のリズムが地球、月、太陽宇宙のリズムと合わさり、様々な面で好影響を及ぼしてくるそうだ。特に女性などは生理不順だったのがよくなるとのこと。そして何よりもこのリズムに合わせていくことでシンクロニシティが起こって来るそうだ。
 
 かつて日本でも江戸時代までは太陰暦が使われてきた。だから今もその名残で旧正月などといわれるし、「旧暦の・・・」とよく耳にする。もちろん日本の太陰暦はマヤ暦のものとは違う。けれども月を基本にしているところは同じであるので、共通するものも多い。

 考えてみれば、人間も動植物ももちろん太陽の日の出、日の入りを中心に生活をしているが、月との関係も切り離せない。女性の生理は28日周期であるし、出産も大潮と関係がある。サンゴの産卵も大潮の夜。そんなことを考えていくとどうも月との関係もすごく大切なように思えてくる。

 以前お寺の住職の説法で、旧暦の暦でカレンダーを見てみると、4年に1度のうるう年には睦月から師走のどれかの月が2度あるのだが、その年は不思議とその繰り返される月の特徴がある1年となるそうだ。例えば水無月(6月)が繰り返される年は長梅雨で梅雨が明けるのが遅かったり、、葉月(8月)が繰り返される年は暑い夏になる(ことが多い。)という話をしていた。
 これも何か関係があるのだろうか?

 日本人は季節を感じるのが得意な民族だ。けれども現在の日本人は昔の日本人に比べると、その季節を感じる力がかなり劣ってきていることは間違いない。クーラーに暖房に・・・コタツに入ってアイスを食べる民族となってしまったから・・・。

 けれどもそろそろそれを取り戻す時期がやってきたのかもしれない。今回の災害は文明災だそうだ。僕たちの作ってきた文明が自然とあまりに乖離し、人間のエゴによるものが行きすぎた結果でもある。

 今回の災害を機にこれまでの生活のあり方の見直しが求められている。それを見直す方法として、太陰暦の暦に合わせて生活するということもひとつの方法であるかと思う。