僕の友達に福島の人がいます。その人は以前は関東に住んでいたのですが、数年前に(もともと実家が福島だったので)移住(Uターン)しました。けれどもそこは避難地区となっているため住めなくなり、現在は実家の方に移っています(今のところ実家の方は避難地区ではありません。)。
 その人に先日メールをしました。するとどんどん悪いニュース(隠されていた事実)が出てきて、まだ子供も小さいので福島に住むのを諦めて、移住しようかと考えているそうです。 けれどもこれまでお世話になった福島から逃げる気持ち、旦那さんの仕事のこと、家のローンなど様々な葛藤を抱えて、結論が出ない日々を過ごしているとのことでした。

 また別の友達との話で、やはり避難地区に住んでいた人で、事故後関西に避難しているのですが、仕事の関係で福島に戻ってきて欲しいといわれているのですが、やはり子供が小さいこともあり、悩んでいるそうです。
 みんな故郷への愛着があり、思いは強いです。けれども現状や次から次へと出てくる隠ぺいされていた事実を知ると、そして子供たちのことを考えると、結論が出ずに悩んでいます。

 震災から2ヶ月半以上経ち、避難地区から(福島)県内に避難している人、県外に避難している人それぞれが今も苦しんでいます。それは物資でもお金でも解決できない問題です。
 地震だけならば、数年かけての復興の道が見えていたでしょう。けれども放射能という目にも見えないそして先の見えない状況では、まだまだ真っ暗な状況です。

 もちろん現在様々な放射能の除去方法が考えられています。ひまわりを植える(麻もいいらしい・・・けれども今の日本の法律では植えるのは無理・・・。)。微生物でかなり除去できるらしい・・・。など自然の力、日本人の技術力で光明が見えてきそうな気もしますが、いかんせん今のところまだ不確かな状況です。

 悩んでいる彼らに同情することはできます。そして痛みを共有しようとすることもできます。けれどもどんなにそうしても僕たちには彼らの今の悩みを解決することはできません。

 今回の事件でドイツは脱原発を発表しました。なぜ日本は世界の唯一の被爆国なのに浜松を停止するだけなのでしょうか?かつての原爆での苦しみ、そして今回の福島での苦しみ・・・次は?日本中にある原発を考えると、どこも恐ろしい。

 先日田中優さんの講演会で今回は福島だったから、まだこのくらいで被害が収まっている。もしこれがほかの所だったら、偏西風の影響で日本のもっと多くの地帯が汚染されていたと・・・。

 一体何人の人が苦しめば僕たちは決断できるのでしょうか?少しばかしの不便を決断することができれば、それでおびえなくてすみます。

1970年代は現在の5分の1程度の電力量だったそうです。僕は70年代はまだ小さな子供だったので、よく覚えてはいませんが、それでもテレビもあり、冷蔵庫も、洗濯機も、車もありました。電子レンジもあったような気もします。クーラーはもう少ししてから取り付けられたような気もしますが、現在の省エネ家電としてみればそんな過激な不便ではないような気もします。
 今やほとんど聞かれなくなりましたが二酸化炭素25%削減よりも、原発廃止の方が、今なら企業も人もその持つ能力を発揮できるのではないかとも思います。

 暗く重い話題となってしまいましたが、明るい未来のためにも今決断が必要だと思いませんか?