かつてこのブログで「バトン」と題して書いたことがある。東日本大震災後のある日みかん畑で作業をしていた時にふと心にわき出てきたメッセージ。

 亡くなられた方々は僕たちに「この日本を、そして世界を救ってくれ。よくしてくれ。」とのメッセージ。彼らは僕たち人間を代表して犠牲になってくれた。僕たちは彼らからそのもっと平和に暮らせる世界を作ってほしいとのメッセージと共にバトンを渡されたのだ。

 さて大震災から1年が過ぎた。世界はまだまだ暗黒の世界が続いているけれども、僕自身はどうだっただろうか。この一年を振り返ると僕は地域の事に関わり始め毎日毎日が不慣れなことの連続だ。それまでとは180°違った世界に生きている。

 それでも一生懸命にやてきたことは言える。けれどもまだ何の結果も出せていない。そして本当に僕にできるのだろうかと気持が揺らいでいる。それが現実であり現状だ。

 それでもやはり震災で亡くなられた人達のことを考える。そして原発被害で故郷を離れることとなった人達、子供たちのことを考える。そうするとやはり僕にできることはとことんやりたいと思う。渡されたバトンを次の世代に少しでもよくなった世界の中で渡したいと思う。

 そしてその芽は出始めている。まだまだ暗黒世界に包まれてはいるものの、確実に新しい芽はいくつも出始めている。「朝起きると畑にまいた種が芽を出していた。」そんな世界が訪れようとしている。

 その芽はこの人間社会を新しくする力をもつ芽。地球と人間が共生することができるようになる芽。僕らはこの芽をどんどん発芽させて成長させて行くのだ。いつかきっと美しき花園がこの地球に現れる。その時にきっとなくなららた人すべてが笑顔となれるだろう。

 その日のために僕たちはコツコツ積み上げていくのだ。意識を向上させていくのだ。そしてお互いががっちりと握手するのだ。