先日経済アナリストの藤原直哉さんの勉強会に参加してきました。日本全国に数多くの経済アナリストがいる中で、藤原直哉さんは最も信頼できる経済アナリストの一人だと思っています。その勉強会は1部と2部に分かれており、第1部は日本や世界の政治経済情勢の開設であり、第2部では、(現代の)乱世の時代の中で、その先を見て行動していくこと。未来を創る、文化を創ることの大切さを話されました。それはとても勇気づけられる内容でした。全国各地で定期的に行っているようなので、皆さんも機会があれば参加してみてください。


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ところで私は障害者を支援する事業を立ち上げました。もともとは昨年取り組んだ重症心身障害児者(※1)の在宅支援事業に参加したのがきっかけで、重症児者にもっといろいろな世界を見てもらいたいという想いが募り事業を始めました。けれども、そこから障害者全般となり、彼らの就労支援(B型)、あるいは日中の居場所(生活介護)の現場を見て、彼らが形成する癒しの空間、そして彼らの仕事ぶり「ゆっくりだけれど、丁寧・手作業(手作り)」にとても魅力を感じたのです。


そこでこの「ゆっくりだけど、丁寧・手作り。」と言う彼らの持つ強みを是非とも活かしたいと思い活動を繰り広げているのですが、同時にこれこそ今の日本人が忘れてしまったものではないかと思っています。



かつての日本人は自然と調和して生きてきました。一方的な効率を追い求めることよりも、自然の循環の中で生きてきました。江戸時代商人の質素倹約とは、暴利をむさぼらないという姿勢を見せることでした。大きな利ざやを稼いだ後に社会貢献するのではなく、過剰な利ざやを稼がないことが、信用を得たのです(※2)。これなどまさに循環の中の一部であることの姿勢を現したものではないでしょうか。そして障害者の「ゆっくりだけど、丁寧・手作り」という仕事ぶりは、まさにここにも通じるものではないかと思うのです。


しかしながらそれとは反対に現代社会は人間の欲望のままに一攫千金、一山当てようとするものがなんと多いことでしょう。あるいは効率を追求するあまりにモノづくりの過程(プロセス)を省き、結果だけを求めていることがどれほど多いことでしょう。


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また話しが変わってしまいますが、専門家によると、現在出生数は減少しているのにも関わらず、知的障害や発達障害のある子供の数(割合)は増えている傾向にあると言われています。もちろんそこには医学や科学が発達し、以前は分からなかったものの原因が特定されるようになったこともありますが、それだけではないように思います。また精神障害の人も増えています。これも実感される方が多いのではないでしょうか。最近私はこのことが何かのメッセージではないのかと思えて仕方がないのです。それは企業優先社会への警告であり、欲望のままに生きることの警告ではないかと思うのです。


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Behaviorismand Mental Healthの記事より


現代社会は誰もがそのねじれや歪を感じながら生きています。多くの人がストレスを抱えながら、騙しだまし生活を送っています。それが故に癒し関連の産業が大はやりです。きっと人々は知ってか知らずか、どこかでSOSを発しているのではないでしょうか?


その中で障害のある人達は、事業所の中で癒しの空間を形成し、ゆっくり丁寧にコツコツと作業を続けています。その様子を見ていると、私はこれからの社会は、実は私たち、いわゆる健常者と呼ばれている人たちが障害者から学ばなければならないのではないかと思うのです。彼らを見て私たちがこれまで形成してきた社会を振り返るべきではないかと思うのです。きっと彼らこそが未来の道しるべとなるのではないかと思うのです。


もちろん彼らは他者の支援を必要としています。それが無ければ生きていくことが難しい人もいます。それを承知であえて言います。何故なら本当は多くの人が心の中で「このままではいけない!」と思っていることでしょうし、そしてこれからはエコの時代あるいは、ロハスの時代と言われる中で、「では一体どうすればいいのか」と迷っている人も多いと思われるからです。少なくとも障害者はそのヒントを与えてくれると思うのです。なにも田舎に行って農業をすることばかりがロハスじゃないと思うのです。


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まだこんな考えを持つ人などまれなことでしょう。障害者といえば、何もできない人、働けない人などと価値のない人と思っている人も多いことでしょう。けれども彼らを見ていると学ぶことだらけなのです。下手をすると価値観を180度変えられるかもしれません。これから持続可能な社会、あるいは文化を創っていくにあたり、彼らの存在は欠かせないと思うのです。
 



(※1)重症心身障害児者とは、重度の肢体不自由と重度の知的障害をあわせもつ持つ複合障害のこと。具体的には寝たきり状態にあり、小学生12年生程度までの知能指数

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※2)田中優子著「未来のための江戸学」小学館101新書







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