ドネラ・H・メドウス博士から学ぶ人間の生き方シリーズ第3弾です。前回は博士の著書「地球の法則と選ぶべき未来」(ランダムハウス講談社)のエピローグに書かれてある持続可能な世界をつくるために「真の鍵を握っている2つのもの」のうちのひとつ「真実を語ること」をお伝えしましたが、今回は残りのひとつについて書きます。


持続可能な世界をつくる真の鍵を握る最後のひとつは、「愛を持って行動すること」なのです。


「愛とは、この生身の自分以外の人やモノと自分を同一視できる能力に他ならないのです。愛とは境界を広げることであり、自分以外の人や家族、土地、国、地球全体は自分と密接に結びついており、自分の幸せは他者の幸せと一体であって、同じものなのだと気づくことなのです。」
 

この世のものを追求していく中で、どの専門分野においても、行き着く先は「愛」であるように思います。DNAの世界、宇宙の世界、建築の世界、商売の世界、農業の世界、宗教の世界などすべての分野で突き詰めた先に行き当たるのは、愛ではないでしょうか?


メドウス博士は「成長の限界」の主な著作者の1人であるだけに、科学者であり、論理的に地球の状況を考えられる人です。その論理的に考え事実を重んじる科学者が「愛」を訴え、「愛」の必要性を説いているのです。そしてその愛とは、自分以外の人やモノと自分を同一視できる能力、つまりすべてはひとつ、一体化しているということです。それぞれの専門として分離した世界ではなく、一つに統合された全体の世界です。


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しかしながら現在の私たちがいる時代は、ある意味「競争」が善しとされ、競争することが社会を成長発展させるものとして認知されています。世界中が成功と富の獲得を目指して競争にしのぎを削っています。けれどもそれが現在行き詰りつつあるのも事実です。世界経済は二進も三進もいかない状況となっています。その状況を打破するためにもこれからは「競争」から「愛(慈しみの心)」へと変えていく必要があるのではないでしょうか。そこで博士は次のように言います。


「個人主義、競争、冷笑主義を志向するようなルールや目標が設定され、情報が流れている仕組みの中で、善を実践するのは至難の業です。しかし不可能ではありません。私たちは皆、とぎれることなく変化する世界に直面しているのですから、自分自身に対してもほかの人に対しても、寛容になれるはずです。変化に抵抗しようとする気持にも共感できるでしょう。持続可能でないやり方にしがみつこうとする気持も、私たちの誰もが多少はもっているでしょう。ですから、持続可能性に向かうこの挑戦においては、誰もが仲間になり得るのです。誰もが必要な存在なのです。周囲の人たちが冷笑する声が聞こえたら、そういう態度しかとれない人たちのことを気の毒に思えばいいのです。でも、自分でそういう態度をとるのはやめましょう。」


私たちは持続可能な生き方が必要であることを認識しています。けれどもある意味それは自分の都合のよいように解釈しているのです。突き詰めれば博士から最初に学んだ「矛盾があっても、地球に少しでも負担をかけずに暮らす」と言うことも私たちのご都合主義かもしれません。だからこそメドウス博士は誰もが仲間になり得るというのです。そのことを知ることで私たちは寛容となり、相手を受け入れることができるようになるのでしょう。

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「私たちが自分や他人を思いやりの目で見なければ、持続可能な世界を実現しようとするこの冒険を無事に終わりにすることは決してできないでしょう。その思いやりは、ほら、ここ、私たちのすべての中で、出番を待っています。どんな資源よりも素晴しい、無尽蔵の資源なのです。」


持続可能な世界を実現することは冒険なのです。この冒険には知性も、良識も、行動も必要でしょう。けれども何より必要なものは心の中にある「愛」なのです。そしてその「愛」は尽きることない資源なのです。さあぐずぐずしている間はもうありません。勇気を持って一歩を踏み出しましょう!真実を語りましょう。寛容の心、すなわち思いやりの心を身につけ、この冒険のゴールを目指しましょう。矛盾があっても目的地を見失わず進んで行きましょう。


持続可能な世界への変化を感じた時には、きっと渡したの心が愛に満たされていることに気付くこととなるでしょう!


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(平成29年8月一部修正)





らいふあーと21~僕らは地球のお世話係~