みかんの花咲く季節がやって来た。

今年はじいちゃんにその花を見せて、その香りを楽しませてやることができないのが悲しい…。

それでも今年もみかんの木々はつぼみをたくさんつけており、あまりにつぼみが多いので、取り除いてやるほどだ。

これから数日の間で白い花をどんどん咲かせていくことだろう。

僕はいつも思うことがある。

それは今ではすっかり住宅街となってしまった地域の中で、このみかん畑はとても貴重ではないかということ。

特にこの季節みかんの花の香りが、みかん畑から離れた場所からでも漂っている。

ほんのりとしたその香りが一体どれだけの人の心を癒しているかと思うと、その価値は計り知れないほどのもだと思うのだ。

近代住宅が立ち並ぶ中でほんのりと甘い香りが漂い始め、更に進んでいくと、白い花を咲かせたみかん畑が現れる。

みかんの木々だけではない。

モンシロチョウにアゲハチョウ、そしてミツバチが飛び交うみかん畑。

ここは地域のパラダイス!

想像するだけでも心が癒される。

そして見た目には分からないかもしれないけれど、無農薬、無化学肥料のみかん畑。

時々散布するのは、木酢を薄めたものか、オリジナルの微生物培養液。

だから安全・安心なみかんになろうとしている。

農薬をやめてはや4年。

枯れてしまった木も多いけれど、今年はどことなく息を吹き返しているみかんの木が増えている気もする。

今年は僕が理想としている「安全・安心、そして元気の出るみかん」に一歩近づけるのではないかと思う。

じいちゃんが亡くなって2週間。

じいちゃんにはそのみかん(いよかん)を食べさせることができなかったけれど、きっとそれを見守ってくれていることだろう。

今日は天気がいいので、その姿形は見えないけれど玄関先に腰を下ろし、日向ぼっこをしながら、みかん畑を眺めているだろう。

じいちゃんに会って来よう。




らいふあーと~僕らは地球のお世話係~もよろしくお願いします。