これまでの世界秩序が音を立てて崩れ始めています。各国で連続テロは勃発し、金融・世界経済ともに不安定状態にあり、先行きは不透明となるばかりです。



その原因を考えてみると、ひとつはアメリカの弱体化でしょう。かつての世界の警察と称していた国家はもはや弱体化する一方です。ただしそれはこれまでの世界秩序を形成していた権力者たち(石油を中心とした戦争屋、あるいは経済原理主義者)の弱体化でもあるのです。


そしてもうひとつは西欧式経済の終わりの到来です。こちらも益々顕著になりつつあります。西欧式経済とは、ひとことで言えば搾取型経済であり、世界各地で搾取したものを浪費し贅を尽くすというスタイルです。


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歴史を振り返れば、ヨーロッパ人の大航海時代から始まった植民地政策は、アジア・アフリカ諸国に対する不当な政策や取引により、安く買い叩き、あるいは強奪し、それを本国や第三国に売りつけ利ざやを稼ぐというものでした。


この方法は植民地政策が終わった後も基本的にその姿勢は変わっていません。安く仕入れ高く売る、あるいは機械化による大量生産大量消費により利ざやを稼ぐという方法で、利益のためならば資源も環境も人も社会も無視してきたのです。


彼らにとって自分たちの権力と贅沢のためならば他の命など関係なく、経済とは、彼らエゴを満たすためのもの、エコノミーではなくエゴノミーだったのです。そして近代の搾取型経済の行き着いた象徴が武器産業と金融競争であり、「戦争」と「マネー第一主義」であるのです。


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これまでに彼らはあらゆる手段で各地に紛争を起こし、(両者に)武器を売りつけ利益を得てきました。また金融を金融工学という一種の“カジノゲーム”化し、自分たちでそのルールを作り上げ、それを世界共通の舞台として利益を得てきたのです。


けれども彼らは軍事的に躓きました。これまで自分たちの利益を得るために起こしてきた戦争やテロの仕組みが明るみになり、自分たち自身の首を絞めるようになってきたのです。


同時に権力者たちは自分たちの作り上げたマネーゲームでも躓いたのです。彼らの「今だけ、金だけ、自分だけ」のエゴのミーはとどまることを知らず、遂には自分たちの未来に得る利益さえも先取りしようとしたのです。そしてその穴のあいた未来がやって来たのです。



現在アメリカ、そして権力者たちはこれまでの後始末に入ろうとしています。世界は市場原理主義の行きすぎと間違いに気づき始め、これまで散々好き放題できるようになっていた金融は引き締められ、戦争推進派も追い出されつつあります。


更にこれまで搾取されてきた国々が力を付けてきました。そして先進国と同じような暮らしを求めるようになりました。先進国と言われる国々が一方的有利な状況とはいかなくなってきたのです。


きっとこの状況はますます加速して行くことでしょう。これまで西欧、特にアメリカの基準をスタンダードとして世界各国に押し付けられてきたシステムが融けているのです。


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私たちはまさに今数百年の歴史の転換点にいるのです。けれども大半の人の価値観は旧態依然のままです。それゆえこれまでの価値観のまま生きていこうとすることでしょう。しかしシステムの崩壊した中でその価値観の維持と存続は不可能です。それ故にしばらくは混乱が続くこととなるでしょう。


なぜなら残念ながら世界の多くの人々はこの先の具体的な進み方を見いだしてはいないからです。各国トップは現状の処理に追われてその先を見る余裕はなさそうです。その上システムと価値観の両方が一度に崩れていくため、予測がつかないのです。


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今私たちは未知の世界に入ろうとしているです。手探り状態で先へと進んでいかなければなりません。そこで必要となることは、ひとつは歴史を学ぶことです。ここ数百年の歴史を検証すると同時に、数千年に渡る歴史を俯眼することです。その中にヒントはあるはずです。


そしてもうひとつはこれまで異端視されていたものをもう一度検証することです。これまで真なるものが時の権力構造と合わないために、攻撃され、ゆがめられたり葬られてきました。それらをもう一度見直して真なるものを取り入れることです。


これらを通じて試行錯誤すると同時に、未来を描くこと。エゴに基づく未来ではなく、全ての生命が共生できる世界とはどんなものか?を考えていくこと。その中で新しい世界は生まれてくいくのです。


私たちはこれまでに溜めにためてきた物質も価値観も一度すべて断捨離し、新たな世界を産み出す創造の世界へと向かって行くのです。


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