平成のバブル景気が崩壊して25年以上が経過しています。この間ずっと日本は低迷状態にあります。一時期いざなぎ景気を超える景気拡大期(いざなみ景気)とも言われたこともありますが、結局は大企業のみの景気拡大であり、今では大企業は莫大な内部留保を抱え、国民の格差は拡大し、子供の6人に1人は貧困層と言われるようになっています。
             
この25年いくつかの政党が政権を運営し、名前を覚えられないほど多くの首相によって様々な経済政策がなされてきました。けれどもその結果は、国の借金が1000兆円を超え、国民1人当たりの借金は830万円となったこと。更には原発事故が起こり、多くの国民が借金を背負うだけでなく、重大な命のリスクにさらされるまでになったことです。
             
それでも日本の権力層のトップの面々は、現在も経済成長、経済成長と声を張り上げ、GDPの拡大を目指しており、多くの国民も(大半が40代以降ですが…)それで再びあの頃の豊かさが取り戻せると思っているのが現状です。

けれども本当は、日本の豊かさの次元が変わっているのです。そのことにもうそろそろ(いい加減)気付かなければならないと思うのです。なんたって25年、四半世紀以上が過ぎているのです!
             
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戦後からバブル時期まで、いわゆる昭和の時代は、日本にとって物質的成長が豊かさの次元だったことは違いありません。人々は科学の発展、物質の恩恵を受け、それまでの縛りから解放されました。けれども昭和天皇の崩御とともにそれは終わりを告げます。平成の始めの賑わいはその余韻に過ぎなかったのです。
             
平成(1989年)となり第1回目の精神的次元のシフトが起こり、次に2000年(平成12年)に第2回目、そして2012年(平成24年)に3回目の次元のシフトが起こり、その次元はどんどん大きくなっています。
             
それにも関わらず、政府、国会、霞が関、日銀、大企業は、今もお金とモノ縛られ続けており、多くの国民もそれに引っ張られている~マインドコントロールされている~状態が続いています。

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世界をみてみると、中国・東南アジアなどの新興国と呼ばれる国は今も物質次元にあり、彼らはそれらを通じて現在これまでの縛りから解放され豊かさを得ようとしています。それらといくら日本は競い合っても仕方ありません。そもそもの土俵が変わってしまっているのですから。
             
先進国(先進没落国?)と呼ばれる国々も、物質的次元から精神的次元への移行の促し段階にあり、それに薄々と気づき始めたり、あるいは様々な混乱が起きていたりするのが現状です。

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そんな中密かに注目されるべき国、その存在感を徐々に高めているのががブータンではないかと思うのです。
             
ブータンの注目されるべき点は、なんといってもGNH(Gross Natinal Happiness~国民総幸福量~)政策でしょう。経済成長ではなく、国民一人一人の幸福度、そしてそこには自然保護、自然との調和、そして人々の暮らしの中にある伝統文化を守ることを欠かせないものとしています。(その中でゆっくり近代化を進めていく。)
             
ブータンが2005年に行った国勢調査では約97%の国民が「幸せ」と回答しており、世界を驚かせました。ブータンは世界でも下から数えた方が早い最貧国のひとつです。それでも国民の多くが幸せと答えられる国とは?それを僕たちは考えなければならないのではないでしょうか?
             
ちなみに別の幸福度調査では、ブータンの幸福度はずっと低くなっています。けれどもその調査の中にある項目のひとつがGNP(GDP)経済成長です。
             
世界各国がグローバルリズムの影響によってモノラル化する中、ブータンは今も自国の伝統を保護し、大切にしています。そこには今も彼ら独特の美が生きています。もちろんブータンの人々も普段はTシャツを着たり、化成繊維やナイロンを着たりもします。けれども今も伝統文化がしっかりと残されています。
             
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さて、再び日本に戻ってみるとどうでしょう?多くの伝統建築は破壊され、近代的なビルや建物へと変わり、都会をぎっしりと埋め尽くしています。競争社会が毎日24時間休むことなく繰り広げられています。誰もが生き残ろうと必死となり、あるものは精神を犯され、あるものは死を選びます。
             
大手メディアは毎日これでもかと、グルメ番組、お笑い番組を流し続け、今の価値観を維持しようとしています。一見すると日本はこのままずるずるとバブル崩壊後の低迷をあと10年、20年と引きずって行くだけのようにも思います。
             
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けれども日本にも可能性の芽は出てきています。そのひとつが地方の地域が頑張っていることです。もちろんそれは地方の消滅を避けるため、あるいは地方経済の活性化が主な目的となっていますが、そこでは地域の伝統的な食や産業が見直されて、それをもう一度取り戻し、発展させようとしています。
             
更に自らの活路をそこに見いだそうとする若者も増えつつあります。都会では得られない充実感を求める若者、Uターン(Iターン)してくる人々が増えています。それらを通じて日本の伝統、日本の美が取り戻されていけば、きっと再び日本人の持つ精神が取り戻されると行くと思うのです。
             
それを支持するかのように、競争世界が生み出したITという産物が、SNSや情報面から側面支援を始めています。それに伴い大手メディアの力は弱まり、これまで隠されていた多くの事柄が表に出始めています。人々は真実を知るようになってきています。
             
そこに今世界的に起こりつつある精神次元への移行が重なり合えば、きっと大きなシフトが起こってくると思うのです。
             
天の計らいとは絶妙なのかもしれません。
             
             
             
             
らいふあーと~僕らは地球のお世話係~